夏バテや熱中症を予防するための「夏の腸活」をご紹介

暑い夏は、夏バテや熱中症などの健康リスクが高まる季節です。
特に高齢者様は、体温を調節する機能や体力が低下しがちなため、リスクが高くなります。
そこで、今回はその予防策として夏の腸活についてお伝えいたします。

健康を司る腸内フローラのバランス

私たちの腸内には、数々の微生物が存在し、これらは腸内フローラと呼ばれます。この腸内フローラのバランスが健康に大きな影響を与えていることが近年様々な研究により明らかになっており、腸内フローラのバランスを整える腸活が注目されるようになりました。夏の暑さでは、食欲不振や胃腸の不調を引き起こしやすくなり、腸内フローラのバランスを崩しやすくなります。腸内フローラのバランスが崩れると、免疫力が低下し、夏バテや熱中症のリスクが高くなります。

夏の腸活のポイント


ヨーグルトや発酵食品の摂取

腸内には、善玉菌と呼ばれる健康を支える微生物が存在します。善玉菌を増やし悪玉菌を抑えることで、免疫力の向上や便秘解消など、体全体の健康維持に寄与します。ヨーグルトや発酵食品には、善玉菌を増やす働きがあるため、積極的に摂取することで腸内フローラのバランスを整える効果が期待できます。

水分・ミネラル補給

暑さで汗をかくと、体内の水分やミネラルが失われます。これらが不足すると、腸の動きが鈍くなり便秘を引き起こすこともあります。また、免疫力低下へも繋がるため、こまめな水分とともに失われたミネラルの補給も忘れずに行いましょう。ミネラルの主な役割は基礎代謝や新陳代謝、エネルギー代謝を促す、体の機能や組織を調整・強化し心身のバランスを正常に保つ、などですが、体内で生成できないため、食べ物や飲み物から摂取する必要があります。カルシウムは牛乳などの乳製品、マグネシウムは豆類や海藻類、カリウムは果物や野菜、リンは魚介類、鉄はレバーや海藻類、緑黄色野菜から摂取できます。

食物繊維の摂取

食物繊維は善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす助けとなります。便秘解消など腸に嬉しい効果が期待できる食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維があります。便を柔らかくしたい場合には水溶性食物繊維、便の量を増やし腸を動かしたい場合には不溶性食物繊維が効果的ですが、善玉菌の増殖に効果的なのは水溶性食物繊維です。納豆、さといも、こんにゃく、オクラ、海藻類、きのこ類などが水溶性食物繊維を多く含む食材です。

腸活に役立つ適度な運動

適度な運動は、腸の動きを活発にし、便秘の改善に役立ちます。高齢者様でも取り入れやすい運動を無理のない範囲で行いましょう。

ウォーキング

ウォーキングは全身の血行を良くし、腸の動きを活発にします。また、日光を浴びることでビタミンDを補給し、骨粗鬆症予防にも効果的です。暑い日は避け、朝夕の涼しい時間帯に行うのがいいでしょう。

ストレッチ

お腹周りのストレッチで内臓の動きを活発にしたり、むくみをとるストレッチで血行を良くすることで、腸の動きをスムーズにできます。椅子に座ってできるものや立ったままできるものなど、無理なく行えるストレッチを選びましょう。

ヨガ

ヨガは腸の蠕動運動を促すポーズが多く、便秘解消に効果的です。また、腹式呼吸を意識するため、内臓のマッサージ効果もあります。難易度の高いポーズを避け、軽減法などで無理のない範囲で行いましょう。

これらのポイントを日々の生活に取り入れて腸内環境を整え、夏バテや熱中症を予防しましょう。また、日々のお食事でしっかりと栄養を摂ることもとても大切です。